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「新債券王」のビュー

9/19/2016

 
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​今回ご紹介するのは、Jeffery Gundlach氏の直近のビューです。
 
Sohn Conferenceの記事でもご紹介した同氏。メディアでは「新債券王」とも称されるスター投資家です。「債券王」と言えばPIMCOのBill Gross氏が有名でしたが、その称号は今では同氏に継承されているようです。
 
Gundlach氏はプレゼンが面白いことでも知られ、個人投資家の人気も集めています。同氏が創業し、CEO兼CIO(最高投資責任者)を務めるDoubleLine社は数々の人気投信を運用しています。
 
同氏は、定期的にウェブキャストを開催し自身のビューを披露しています。下記は直近の要旨です。

  • 現行の米国10年金利は1.5%だが、これは低すぎる。ここまでは金利低下一辺倒だったが、ターニングポイントに来ている。
  • その要因は2点。1)マイナス金利が欧州でも日本でも成果を挙げていないこと。超金融緩和策の効用は限界点に達しており、これ以上は見込めない。2)米国で更なる景気刺激策として財政出動が再び注目されており、大統領候補のクリントン、トランプの両氏が積極的にアピールしていること(財政出動→米国債発行増・財政悪化→米国債金利上昇)。
  • 米国の社債は売り。理由は、1)これから中長期金利の上昇が見込まれること、2)現在過度にリスクプレミアムが縮小していること。
  • 「海外投資家が米国債を購入して買い支えるので、金利は上がらない」というのは一見もっともらしい話ではあるが、これはmake senseしない。なぜなら、欧州や日本の投資家にとって、米国債の為替ヘッジ後のリターンはゼロ近辺となっているため(為替ヘッジコスト上昇が主因)。
  • Sohn Conferenceで推奨したREM(REITのETF)のロングとXLU(インフラセクターのETF)のショートは、短期間で大きな収益をもたらした。
 
このビューはマーケットで瞬く間に広まり、米国中長期金利は上昇しました。スター投資家の言動が市場を動かす典型例とも言えるでしょう。
 
なお、同氏の過去のウェブキャストはこちらのサイトで公開されています(名前、メールアドレス等を入力する必要あり)。スター投資家としてのビューもそうですが、他の投資家を惹き付けるプレゼン術も勉強になります(こちらで紹介している「Content x Delivery」の実践事例としても有益だと思います)。


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    投資プロフェッショナル。著者。投資、MBA、書籍などについて綴ります。

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