今回ご紹介するのは、HBSのクリステンセン教授の最新作です。 クリステンセン教授と言えば、イノベーションに関する研究の第一人者であり、同分野の大ベストセラーである「イノベーションのジレンマ」の著者としても広く知られています。その同教授の最新作と言えば、読まない訳にはいきません。 書名は、「Competing Against Luck(運と競う)」 。一見、イノベーションと関係がなさそうな題名ですが、背景は以下です。
そして、その鍵となる理論は、「Jobs To Be Done(やるべき仕事)」。一言で言うと、以下です。
これだけでは少々分かり難いかもしれません。そのため、この理論を紹介するうえでクリステンセン教授がよく使うのが、「ミルクシェイク」の話です(私の在学中にも、授業で出たのを覚えています)。本書でも冒頭で紹介されており、この理論のエッセンスが凝縮されています。概要は以下。
つまり、このストーリーのテイクアウェイは以下です。
いかがでしょう。 もちろん、本書はこの理論について更に深堀していきますが、エッセンスはミルクシェイクの話に凝縮されています。これだけ聞くと、「当たり前ではないか」と思われるかもしれません。「イノベーションのジレンマ」についても、読後そう思ったのは、私だけではないはずです。心に残る重要なコンセプトというのは、ここまでわかりやすく研ぎ澄まされているからこそ、腹に落ちるのだと思います。 クリステンセン教授は、この理論を完成させるのに20年以上の歳月をかけたと記しています。その集大成である本書。ぜひ、ご一読をお勧めします。 |
Author投資プロフェッショナル。著者。投資、MBA、書籍などについて綴ります。 Archive
May 2017
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